Day9

歌舞ゆ伎

歌舞ゆ伎

助六の隈取。

この週末あたりだったか、中村勘三郎が亡くなって1年というニュースを目にした。2013年のはじめには歌舞伎座の杮落しを待たずして市川團十郎も亡くなってしまった。ここ何年か歌舞伎関連で大きな出来事が続いているのは、その世界に疎い素人ながらにも実感がある。

中村勘三郎は以前テレビドラマに出ていたこともあったし、持ち前のあの明るいキャラクターも相まって、歌舞伎役者の中でも幾分か親しみを感じる人だった。その本業での偉大さを知るのはずいぶんと最近になってからなのだけれど、間違いなく興味を持つきっかけになる人であったし、いつかは歌舞伎を観に行ってみたいなぁとなんとなく思っていた。「いつか」なんてものは自分で「いつ」かを決めないと永遠に未来と見せかけて未定にできてしまうもので、機会を完全に失った時に初めて、その最良のタイミングは実は過去であったことを知って後悔する。「思い立ったが吉日」ということわざが正しすぎてぐうの音も出ない。

そんな後悔を繰り返さないように、2013年こそいちど歌舞伎を観に行こうと思っていた。何なら着付けも習って祖母のたんすから大量に発掘された着物を着て行っちゃっちゃう?みたいな夢見がちなことまで思い描いていたのに、歌舞伎も着付けも何ひとつ遂行されずアドベントカレンダーや年賀状をこさえる月に突入している。

こういうやるやる詐欺なところ、もう少しだけ直したい。